「お兄さま、このお花素敵ね」
話題を変えようと遥は床に置いてあった胡蝶蘭の鉢を持ち上げた。
「聡子がくれたやつだ」
水口聡子は同じ大学の文学部の生徒で、直樹の恋人だった。
「水口、来たのか?」
博史と遙は水口が事故のことを話したのではないか冷やりとした。
「さっき、うちのお袋と一緒にな」
「そうか」
水口が直樹の母親と一緒に来たことを聞いて、2人はホッと胸をなでおろした。
水口聡子は、でしゃばるタイプの女ではなかった。
とても物静かな性格で、男の3歩うしろをついて歩くような奥ゆかしさがあった。
自分勝手に病室を訪ね、あれこれ喋るような非常識な性格でないことはよく分かっていたが、今は誰もが神経質になっていた。
話題を変えようと遥は床に置いてあった胡蝶蘭の鉢を持ち上げた。
「聡子がくれたやつだ」
水口聡子は同じ大学の文学部の生徒で、直樹の恋人だった。
「水口、来たのか?」
博史と遙は水口が事故のことを話したのではないか冷やりとした。
「さっき、うちのお袋と一緒にな」
「そうか」
水口が直樹の母親と一緒に来たことを聞いて、2人はホッと胸をなでおろした。
水口聡子は、でしゃばるタイプの女ではなかった。
とても物静かな性格で、男の3歩うしろをついて歩くような奥ゆかしさがあった。
自分勝手に病室を訪ね、あれこれ喋るような非常識な性格でないことはよく分かっていたが、今は誰もが神経質になっていた。


