この愛に抱かれて

「確かに、富田さんでしたよ」



「彼が、パチンコを・・・」



「あの様子だと、多分、朝からじゃないかな。足元に3箱くらいあったから」


パチンコ好きな葵が、昼間、中野のパチンコ店で富田を見たというのだ。



富田がパチンコをしていたという話に響子は少し戸惑った。



彼がパチンコをするなど一度も聞いたことが無かったからだ。



しかも平日に。



今朝も、いつものように背広を着て出勤していった。


人違いではないのか。


響子は にわかに信じられなかった。