平成18年 春



3年目を迎えた響子は一段と風格を増していた。



贔屓にしてくれる客も増えていた。



富田学もそんな客の一人だった。




「こんばんは、ミナミさん」



「富田さん、来てくれたんですか?」



「当たり前だよ。君に会えないと淋しくてしょうがないんだ」



富田はこのところ毎晩のように来店していた。