小学、中学時代と、ずっといじめに苦しんできた響子は、自分自身を信じる強い意思を培ってきた。



誰かに助けを求めて他人を頼るのではなく、自らの力で障害を克服する術を身に付けていたのだ。



だが、そのことは他人を寄せ付けないという 彼女の欠点でもあった。



ホステスの中には 響子のことを毛嫌いする者もいた。



ホステスたちの派閥に入ることも無く、まさに一匹狼だった。



その一風変わった独特な雰囲気は 客には大きな魅力だった。


響子を指名する客も徐々に増えていた。