この愛に抱かれて

だが、道子が亡くなってしまったことで、響子はアパートに住むことが出来なくなっていた。



保護者のいない、未成年の響子が賃貸契約を結ぶことは出来なかったのだ。



響子は高校の担任の勧めで、卒業まで施設に入ることになった。



自立した生活が出来ない以上、今は従うしかなかった。



施設でも生活は他人に気を使うばかりの窮屈なものだった。



卒業までの我慢だ。



響子は早く自由になりたかった。