後ろの席の王子様


そのままずっと眺めていると、勘弁してくれとも言わんばかりに出てきた男子。

その後ろを女子達がついてまわる。

男子は席の表を確認してこちらに向かってきた。

どうやら後ろの席のようだ。

私が黙り込んでいると、紗良が男子に声をかけた。

「どーも。私は、田中紗良!よろしくね!君の名前は?」

「俺は、横井裕也。よろしく。」

紗良は私の自己紹介もしてくれた。

「こっちは、友達の楓花。山城楓花。」

裕也くんに向かって小さく会釈する。

「楓花ちゃんか。よろしく。」

結構いい人かも。