叔父さんと私  ~危険な恋のレッスン~

「パパ、ママ、行ってきます」

仏壇に向かって手を合わせる。

ここ7年間、欠かしたことのない朝の行事。

立ち上がってダイニングを通り過ぎると、叔父さんはコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。

「あの……行ってくるね」

つまらないことで声を荒げたこと。
ぶっきらぼうに席を立ったこと。
……ちょっと子供っぽかったって反省している。

「さっきはごめんなさい」

そう言おうとしたら、

「栞、さっきはごめんな」
と叔父さんが声をかけてきた。