「す、すいませんっっ!!」
恐る恐る前を見ると、
あれ。どこかで見たことあるよーな…。
あっ。いつも寺川先輩といる…。
凄い睨んでる…
って、横に、
て、ててててて寺川先輩いるんですけど!!
「ごめんね、こいつ前見てなくて…大丈夫?」
好きな人から、初恋の人から初めて
話しかけられた。
こんな幸せな事はないよ。
「全然大丈夫です!ほんとにすいません。」
立ち上がって謝ろうとすると…
「った…」
足をくじいてしまったみたい。
ど、どうしよ…。
「ん。悪かった。」
といって、ぶつかったその先輩が
手を差しのべてくれた。
怖いと思っていたその顔が
にっこり笑ってすごく可愛らしかった。
私はその手をとって、
立ち上がり、お礼をしてあやまった。
「何年?」
「えっと、1年3組 相田 結羽奈です!」
えっあ、クラスと名前まで言っちゃった。
その先輩はクスクス笑いながら、
「1年、相田結羽奈ね。」
そういって去っていった。
「ゆーなちゃんだっけ?ほんとごめんね。」
寺川先輩がそういって
後を追いかけていった。
あっ、あの先輩の名前はなんだったんだろう。
