「えー、今日は初日なので四時間で終わりだ。気をつけて帰るように」
「「はーい」」
みんなは、小学生のように元気良く返事をした。
そして、新学期初日は終わった。
真壁先生に挨拶をしてから帰る子がほとんどだった。
真壁先生は格好いいから生徒からの人気が高いだろうな、と思った。
「あおいー!帰ろ」
「あ、うん。真壁先生に挨拶してこ」
「いいよ!それ名案〜」
ニヤニヤしながら美咲はそう言った。
その顔が面白くって、私は笑いを堪えた。
「せんせ!高校どこだったんですか〜?」
美咲は真壁先生のもとへ駆け寄ると、元気な声でそう尋ねた。
「おー、えーと君の名前は…」
そう言うと、
必死に名簿を探した真壁先生。
名簿に顔が貼ってあるわけじゃないから分かるわけないのに。
なんだかかわいい。
純粋にそう感じた。
「真壁先生。
名簿見てもわかりませんよ、私は出席番号十四番です」
「あ!あたしは十番!」
助け舟を出すようにそう言うと、
真壁先生は目を輝かせた。
「お!!さんきゅ〜。新藤葵と、岡田美咲か。うん。覚えるわ。」
ニカッと歯を見せて笑った。
爽やかで格好良かった。
とくんとくん…
え。
なんか心臓うるさいんだけど。
