リョウの部屋を出た廊下は、夏の暑い風が吹いている。









目に飛び込んでくる庭の緑が眩しかった。










このまま帰ろうと思ったが、ふと思い直した。










   私はレイのケガの責任があると・・・・











例え嫌がられても、レイの傷が治るまではちゃんと見届けないと。











レイの部屋をノックし、入ってくる真由を見て、レイは驚いた顔をした。











ヘッドホンをして音楽を聴いていたらしく、ノックの音が聞こえなかったのもあるのだろう。













慌ててヘッドホンを外すレイ。











「ちゃんとリョウに話したよ。それで、レイは嫌かもしれないけど・・・傷がちゃんと治るまで私に看病させて欲しいの・・・治ったらもう来ないから・・・いいかな?」












「ふ~ん。看病って何?」












冷たいレイの態度が心に刺さる。











「身の回りの世話とか・・・まだ安静にしていないといけないでしょ?不便もあるだろうから・・・・」













レイは何も言わず考えている様子。












「リョウは何て?」












「今は何も言えないって言われた・・・たぶん帰ったと思ってるよ・・・そのままレイの部屋に来たから・・・」












またレイは考えている様で、冷たい視線を真由に向けていた。












「俺、喉渇いたからジュース取ってよ、後、その辺綺麗に片付けて、それとシャワー浴びたいから着替え出しといて」











「うん。」










真由は嬉しそうに返事した。












レイがちょっとだけ許してくれている気がして。