「私、リョウと付き合っているわけだし、ね」










「他の女に会いに行った奴とさっさと別れればいいじゃないか?」










   気まづい・・・非常に気まずい









「リョウに聞いたら、もう終わってたって言ってたし、ね」










とりあえず笑顔をキープしながら、レイの様子を伺う。









レイはムッとした顔で、ふくれている。












「じゃ~さぁ~。真由はまだリョウの事好きだっていう訳かよ?」











どう言っていいものか、考えてしまう。









   リョウの事は好きだけど、レイの事も好きだし。









   でも、レイに対して付き合う感情は正直ない。










「・・・好きだよ。」











「何だよそれ!!!じゃ~何で俺と・・・・」










レイは困惑した様子で、大きな声で怒鳴りつけた。











「あの時は・・・自分でもよくわからないの・・・でもレイの事も好きだから・・・」











何を言っても言い訳にしかならないし、余計事態が悪くなるだけだと分かっていても、言わずにはいられなかった。












「・・・幻滅だよ、真由。俺がケガしたからその罪滅しで、したって言うのか?はぁ~~~?」











レイは、かなりムカついているようで天井をじっと見たまま真由の方を見ようともしない。












「・・・真由、俺との事リョウに話してよ。そうしたら、俺は全部チャラにするからさぁ~。話して来てよ。」











静かな口調だったが、レイが怒っているのが伝わってくる。










真っ直ぐ見つめるレイの視線が怖かった。









   自分で蒔いた種は、自分で刈り取らなきゃいけない。










   それが、両思いだって知った時期でも、やるしかなかった。









「・・・・わかったわ」








真由は静かにそう言った。