めずらしくリョウが今日は用事があるらしく、一緒に帰ろうと言ってこなかった。
生徒会室を後にし、教室に忘れ物を取りに向かう。
部活に、下校と廊下はひっそりと誰もいなかった。
ちょうど、教室に入る所で、思わぬ人と出くわしてしまった。
「めずらしい、今日は1人?」
いつもの意地悪な感じで、戸塚さんが話してきた。
「戸塚さんこそ、1人?」
クラスが違うからあまりよく知らないが、派手な2人を引き連れて戸塚さんはいつも行動している。
「だから?」
何があったか知らないが、戸塚さんはいつもに増してツンケンな感じだ。
これ以上、戸塚さんと話していると八つ当たりされそうなので、早めに話を切り上げたい。
「ねえ、春日さん。いい事教えてあげましょうか?」
綺麗に化粧している顔を、意地悪く歪ませ戸塚さんは微笑む。
普通にしていれば、十分可愛いのに。
どうしてこんなに厚化粧するのだろうかと、思いつつ耳を傾けた。
「リョウがカナダに行く理由知ってる?」
「里帰りでしょ?」
「それは表向きよ。本当は関屋さんに会いにいくのよ。」
関屋さん???誰???
戸塚さんが言うには、関屋恵里香さんはリョウの学校に来ていた実習の先生だった人。
中学時代、『リョウと付き合っていじめられた』噂話は、同じ時期に転校した同級生と同じ時期に実習していた関屋先生とが混ざって歪曲した話だった。
同級生とはただ仲が良かったから噂されただけで、親の都合で転校し『いじめられた』事は全くのウソだった。
リョウが好きだったのは、教育実習で来ていた21歳の大学生の関屋恵里香さんだった。
全く違うじゃない・・・
噂って・・・嘘ばっかり・・・
リョウと関屋さんがどういう仲だったかは、戸塚さんも分からないらしいが、リョウが好きだったのは確かだった。
2人で会っているところを、学校関係者に見られたらしく、関屋さんは教育実
習途中で、学校を追い出された。
それからしばらくして関屋さんはカナダに留学したって聞いたらしい。
「去年、私も夏休みカナダにホームステーに行ってたの。うちの親とリョウの親仲がいいでしょ?あっちでホームパティーがあってリョウに会いに行ったら関屋さんがいて・・・分かるでしょ?2人で会ってたのよ。」
戸塚さんは、寂しそうな表情で当時の様子を振り返っていた。
ショックだったのね。
私もリョウの事好きだから分かる。
戸塚さんは、カナダまで理由をこじつけてまで、リョウに会いに行ったのに、2人で会っているの見てしまったら、最悪だね。
「今年も関屋さんと会うって事だよね・・・」
ボソッと本音が出てしまう。
「そうでしょうね。」
戸塚さんは、別れて欲しくって教えてくれたのかもしれないが、真由にとっては謎が解けただけだった。
噂で聞いたような同級生の事を、リョウがいつまでも思っている感じがしなかったからだ。
相手が年上の女だったら・・・そっちの方がしっくりくる。
「戸塚さんイイ事教えてくれてありがとう」
わざとニコッと笑ってそう言った。
「な、なによ。いつまでも余裕でいられると思ってればいいわ。どうせ捨てられるくせに」
捨てられるか・・・そうかもね・・・・
生徒会室を後にし、教室に忘れ物を取りに向かう。
部活に、下校と廊下はひっそりと誰もいなかった。
ちょうど、教室に入る所で、思わぬ人と出くわしてしまった。
「めずらしい、今日は1人?」
いつもの意地悪な感じで、戸塚さんが話してきた。
「戸塚さんこそ、1人?」
クラスが違うからあまりよく知らないが、派手な2人を引き連れて戸塚さんはいつも行動している。
「だから?」
何があったか知らないが、戸塚さんはいつもに増してツンケンな感じだ。
これ以上、戸塚さんと話していると八つ当たりされそうなので、早めに話を切り上げたい。
「ねえ、春日さん。いい事教えてあげましょうか?」
綺麗に化粧している顔を、意地悪く歪ませ戸塚さんは微笑む。
普通にしていれば、十分可愛いのに。
どうしてこんなに厚化粧するのだろうかと、思いつつ耳を傾けた。
「リョウがカナダに行く理由知ってる?」
「里帰りでしょ?」
「それは表向きよ。本当は関屋さんに会いにいくのよ。」
関屋さん???誰???
戸塚さんが言うには、関屋恵里香さんはリョウの学校に来ていた実習の先生だった人。
中学時代、『リョウと付き合っていじめられた』噂話は、同じ時期に転校した同級生と同じ時期に実習していた関屋先生とが混ざって歪曲した話だった。
同級生とはただ仲が良かったから噂されただけで、親の都合で転校し『いじめられた』事は全くのウソだった。
リョウが好きだったのは、教育実習で来ていた21歳の大学生の関屋恵里香さんだった。
全く違うじゃない・・・
噂って・・・嘘ばっかり・・・
リョウと関屋さんがどういう仲だったかは、戸塚さんも分からないらしいが、リョウが好きだったのは確かだった。
2人で会っているところを、学校関係者に見られたらしく、関屋さんは教育実
習途中で、学校を追い出された。
それからしばらくして関屋さんはカナダに留学したって聞いたらしい。
「去年、私も夏休みカナダにホームステーに行ってたの。うちの親とリョウの親仲がいいでしょ?あっちでホームパティーがあってリョウに会いに行ったら関屋さんがいて・・・分かるでしょ?2人で会ってたのよ。」
戸塚さんは、寂しそうな表情で当時の様子を振り返っていた。
ショックだったのね。
私もリョウの事好きだから分かる。
戸塚さんは、カナダまで理由をこじつけてまで、リョウに会いに行ったのに、2人で会っているの見てしまったら、最悪だね。
「今年も関屋さんと会うって事だよね・・・」
ボソッと本音が出てしまう。
「そうでしょうね。」
戸塚さんは、別れて欲しくって教えてくれたのかもしれないが、真由にとっては謎が解けただけだった。
噂で聞いたような同級生の事を、リョウがいつまでも思っている感じがしなかったからだ。
相手が年上の女だったら・・・そっちの方がしっくりくる。
「戸塚さんイイ事教えてくれてありがとう」
わざとニコッと笑ってそう言った。
「な、なによ。いつまでも余裕でいられると思ってればいいわ。どうせ捨てられるくせに」
捨てられるか・・・そうかもね・・・・
