会議が終わり、リョウの所に行っても、心の中には、元カノの事が黒いシミのように残っていた。
本人に直接聞けば簡単な事。
少し前の私だったら、簡単に聞けただろう。
でも、今はリョウの事が好きだから、聞けないし、聞いてはいけない事。
会議の書類をまとめている、リョウの横顔をじっと見つめながら、こんな事を考えていた。
「どうかした?」
見られている事が、気になったのかリョウは不思議そうに真由を見る。
「ううん。何でもないよ。」
動揺している所がバレないように、頑張って平静を装う。
でも、心の中では『まだ、好きなのだろうか・・・』と考えてしまう。
「夏休み、俺、しばらくカナダに行っているからな。」
突然のリョウの音葉に驚きを隠せない。
「えっ?カナダ??」
声が裏返ってしまって驚いている真由に、リョウはクスッと笑った。
リョウの母親は、カナダ人と日本人のハーフで生まれも育ちもカナダらしい。
カナダの大学に留学していた、リョウの父親と出会い、結婚して日本に来たらしい。
毎年、夏休みを利用して家族でカナダに里帰りに行くのが、恒例らしかった。
だから、リョウの瞳の色が薄いグレーな訳だ。
だってクオータだからね。
でも、この間レイと話した時は『夏期講習だから、ヤダな~』って言ってたっけ。
受験だから日本に残るのかもしれない。
「私もおじいちゃまの家に3週間ほど行くから、お互い同じだね」
本当は、会えなくて寂しいって言いたい。
でも、私がリョウの事好きになったって言ったら、リョウはどんな顔をするのだろうか?
困った顔?嫌な顔?それとも・・・嬉しい顔?
試すようなことは、怖くてできないよ・・・
「そうだね・・・」
なんだろう・・・今、リョウが寂しそうに言ったように聞こえた。
もっと違う言葉を期待したとか??
例えば、『リョウと会えなくて寂しい』とか???
・・・そんなことはナイ!!期待しているのは、私の方だ・・・
「どのくらいお祖父さんの家に行ってるんだ?」
「あ、うん。たぶん3週間ほど。」
もっといるかもしれないけど、今の予定は3週間かな?
家に帰っても誰もいないしね・・・
「リョウは、どのくらい行ってるの?」
「あぁ~。決まってね~な。たぶん2,3週間かな」
って事は、夏休み中は会えないってことだね・・・
残念な気持ちと、どんどんリョウに惹かれて行く気持ちをリセットするいいチャンスかもと言う気持ちが、交差する。
リョウも何か考えているようで、窓の外をじっと見つめていた。
最近よく、リョウはこんな顔をよくする。
深く何かを考えているようで、真剣な表情。
何かあるのかもしれないが、決して言葉にはしなく、私も聞けない。
「カナダって時差どのくらい?」
このまま会話が終わってしまいそうで、慌てて言葉を繋ぐ。
「17時間ってところかな。」
17時間・・・電話では無理だわ、朝夜逆転しているもの。
「私、メールするね。おじいちゃまの家から見える夕日が綺麗だから、写メに撮って送るね。」
もし、リョウがカナダに行かなかったら、綺麗な夕日を一緒に見たかったな。
海も近いし、最高の場所なのに・・・
「あぁ・・・楽しみにしているよ」
ちっとも楽しみにしてなさそうな、リョウの返事。
やっぱり、リョウの様子が変。
心ここにあらずって感じで、いつものリョウと違っている。
何かあったのだろうか・・・
本人に直接聞けば簡単な事。
少し前の私だったら、簡単に聞けただろう。
でも、今はリョウの事が好きだから、聞けないし、聞いてはいけない事。
会議の書類をまとめている、リョウの横顔をじっと見つめながら、こんな事を考えていた。
「どうかした?」
見られている事が、気になったのかリョウは不思議そうに真由を見る。
「ううん。何でもないよ。」
動揺している所がバレないように、頑張って平静を装う。
でも、心の中では『まだ、好きなのだろうか・・・』と考えてしまう。
「夏休み、俺、しばらくカナダに行っているからな。」
突然のリョウの音葉に驚きを隠せない。
「えっ?カナダ??」
声が裏返ってしまって驚いている真由に、リョウはクスッと笑った。
リョウの母親は、カナダ人と日本人のハーフで生まれも育ちもカナダらしい。
カナダの大学に留学していた、リョウの父親と出会い、結婚して日本に来たらしい。
毎年、夏休みを利用して家族でカナダに里帰りに行くのが、恒例らしかった。
だから、リョウの瞳の色が薄いグレーな訳だ。
だってクオータだからね。
でも、この間レイと話した時は『夏期講習だから、ヤダな~』って言ってたっけ。
受験だから日本に残るのかもしれない。
「私もおじいちゃまの家に3週間ほど行くから、お互い同じだね」
本当は、会えなくて寂しいって言いたい。
でも、私がリョウの事好きになったって言ったら、リョウはどんな顔をするのだろうか?
困った顔?嫌な顔?それとも・・・嬉しい顔?
試すようなことは、怖くてできないよ・・・
「そうだね・・・」
なんだろう・・・今、リョウが寂しそうに言ったように聞こえた。
もっと違う言葉を期待したとか??
例えば、『リョウと会えなくて寂しい』とか???
・・・そんなことはナイ!!期待しているのは、私の方だ・・・
「どのくらいお祖父さんの家に行ってるんだ?」
「あ、うん。たぶん3週間ほど。」
もっといるかもしれないけど、今の予定は3週間かな?
家に帰っても誰もいないしね・・・
「リョウは、どのくらい行ってるの?」
「あぁ~。決まってね~な。たぶん2,3週間かな」
って事は、夏休み中は会えないってことだね・・・
残念な気持ちと、どんどんリョウに惹かれて行く気持ちをリセットするいいチャンスかもと言う気持ちが、交差する。
リョウも何か考えているようで、窓の外をじっと見つめていた。
最近よく、リョウはこんな顔をよくする。
深く何かを考えているようで、真剣な表情。
何かあるのかもしれないが、決して言葉にはしなく、私も聞けない。
「カナダって時差どのくらい?」
このまま会話が終わってしまいそうで、慌てて言葉を繋ぐ。
「17時間ってところかな。」
17時間・・・電話では無理だわ、朝夜逆転しているもの。
「私、メールするね。おじいちゃまの家から見える夕日が綺麗だから、写メに撮って送るね。」
もし、リョウがカナダに行かなかったら、綺麗な夕日を一緒に見たかったな。
海も近いし、最高の場所なのに・・・
「あぁ・・・楽しみにしているよ」
ちっとも楽しみにしてなさそうな、リョウの返事。
やっぱり、リョウの様子が変。
心ここにあらずって感じで、いつものリョウと違っている。
何かあったのだろうか・・・
