「ねぇ…陽太のこと好きになった?」
「え?そんなことないよ」
また胸がチクッとした。
苦しいよ。
「そっか…よかった。私さー…入学したとき陽太とたまたまぶつかってさ。そのとき申し訳なさそうに謝る陽太になんか惚れちゃったんだよね。誰のものにもしない。私だけの陽太になってほしかった…」
「そっか…」
「なのにさ…あんたに見せる顔全て私が初めて見る顔ばっかで。優しそうに愛おしそうに笑うし…なんで?転校してきたばっかのにおかしいよ」
「そんな…」
「どーせあんたも陽太に気向いてるんでしょ?あんたがなんか言ったから陽太があんたとずっと一緒にいるの?おかしいよ。陽太は女の子に興味なかったんだよ?だけどずっと誰かを待ってた…それってあんたなの?あんた何者なの?」