恋の花


紗綾とは門の前で別れ、
俺は一人、昼下がりの帰り道を歩く。


暑さが増し、立っているだけで汗が出る。

いつの間にか、あの日の、結衣を抱き締めた場所へ来る。
芝生の上に寝転がると気持ちがいい。


明日から夏休みだ。
結衣と話せない。

メアドくらい、聞いておけば良かった…。



それからしばらく

芝生の上で昔の、
結衣を好きになったきっかけを思い出していた