それでも離れようとしていると、 かさっと気が揺れる。 蘭子の手が緩んだところで 俺たちはやっと離れた。 音のした方を見るが、 なにもない。 「どうかしたの?勝吾くん?」 蘭子が上目遣いで聞いてくる。 「いや…なんでもない」 そう答えると 「ねぇ、勝吾くん…」 「私、勝吾くんのことが好き」