恋の花

勝吾side


「この学園で沢山のことを学んでください。」


校長が長々と
親に学園のことを話したあとに


俺にそう言った。


「じゃあ、行こうか。」

俺の担任になる山口 敏夫 (ヤマグチ トシオ)
は俺に笑顔を向ける。

みたところ30代前半だろうか。

赤いジャージに首からストップウォッチをぶら下げてる。

体育教師だな。



校長室を出て、
担任の山口先生と廊下を歩く。


「宇都宮くん、君がこの学園に来たのは
父親の転勤が理由だったな」


「はい」


山口先生は歩きながら話続ける


「2年生でこの学園に来て
大変なこともあるだろうが、頑張ってくれ」

なんだ、そんなことか。

どうでもいい。



本当は父親の転勤が理由でここに来た訳じゃない。


アイツがここにいるって聞いたから

ここに来たんだ。