恋の花

勝吾side


ハイキングのあと、
蘭子に無理矢理連れてこられたここは、


植物がきれいに植えられた場所。


「きれいでしょ?ここ」
蘭子がかわいく花を見ながら言うが、

俺には全くかわいく映らない。

しばらく無言が続く。


すると蘭子が俺の目の前に立つ。


「勝吾くん…」
突然下の名前で呼ばれ、

次の瞬間、蘭子が抱きついてきた。


「……」

何気なく離れようとするが、
蘭子はぎゅっと俺の胸に顔を当てて、

手には力が込められていて、

離れるに離れられない。