え…勝吾くん…何して…
私はそこから身動きが取れず、
ただ二人が抱き合っているのを
見ているしかできなかった。
ここから逃げ出したいのに、
足が動かない。
「あれ、間宮?」
田辺くんの声だ…
「こんなとこでなにし…」
田辺くんが何か言ってたけど私ははっとしてその場から走り去った。
別に、逃げる必要なんかないはずだ。
付き合ってる訳でもないし。
でも悲しかった
あのとき抱き締めたのはなに?
あのとき…なんで……
きっとそう、遊びだったんだ…あれは。
そう思うと、涙が込み上げてきた。
我慢して部屋に戻ると、
私は声をあげて 泣いた
