恋の花


ハイキングと言っても、
なだらかな道路があって、

こんな私服で来てる私たちでも
普通に行けるようになっていた。


波奈と夢は小学生のように
走ったりしてはしゃいでいる。


私はそれを見ながらゆっくり歩いていた。


「あの二人が居たから、何となく言えなかったんだけど…」

隣で一緒に歩いていた田辺くんい言った。

「眼鏡、やめたんだ。似合ってるじゃん?」

そう言って、笑った。


あ…田辺くん、かっこいい…。
こんなだったっけ?この人。

なんで今まで気づかなかったんだろう?

田辺くんの笑った顔は、少し誰かに似た暖かみのある笑顔だった。