私は何事もなかったように席に戻る。
先生が、話しはじめようとすると、
「せんせぇー」
蘭子だ…。
「なんだ?浅野」
「私、いつもこの人と班になっちゃうんですよぉ」
「だから~、宇都宮くんと交換してもいいですかぁ?」
蘭子は男子がメロメロになるような
可愛い声で、先生に交換してもいいか求める。
先生は少し考えたあと、
「仕方ねぇーな、今回だけだぞ!浅野。」
そうして、勝吾くんは
蘭子のグループに行ってしまった。
交換でやってきたのは、
いつも勝吾くんの隣の席で話している、
田辺佑真くんだった。
「よろしくな…宇都宮と俺じゃあ見劣りすっかもしんねえけど」
そう言って、席に着く。
