恋の花



私、走っちゃってたんだ…。


自分でもわからないうちに。


宇都宮くんも少し息を切らしている

「ごめん…いきなり走っちゃって…」
私は素直に謝った。


「いや、俺もなんか変なこと言っちゃって…」

「ううん、いじめられてるのは
事実だから、いいの。」

「もうこの際だから聞くけど、誰にいじめられてんの?」

「……それは言えない」

「そっか。」


会話は続いた。

「ねぇ、宇都宮くん…」
私は芝生の上を歩く


「あのさ、その呼び方
やめてくれねーかな」

宇都宮くんはそう言うと、

私の前に立って、


「勝吾って、呼べよ」