結衣side
今日は何もされなかったし、
蘭子の機嫌も良さそうだったし
何もされないのが久しぶりすぎて
びっくりしてしまった。
帰りも宇都宮くんや女子たちと
さっさと帰ったし。
みんなが帰った教室で、
私は久しぶりの感覚を思い出していた。
「結衣~」
「あ、紗綾」
教室に紗綾が入ってきた。
「ねえ、聞いて!」
私は今日の蘭子の様子や
何もされなかったことを
紗綾に話した。
「え!それはびっくりだね。
でもよかったじゃん、
宇都宮くんがきてからじゃない?」
紗綾は自分のことのように
嬉しそうに言った。
