恋の花



―ガラガラ




「失礼します」

そう言って保健室の中に入る。


「あら、結衣ちゃんおはよう」
きれいな声で保健の佐々木先生が言った。



「おはようございます。
あの…また借りれますか?制服…」


「うん、あるよ~。」
佐々木先生はロッカーから
洗濯された制服を取り出した。



「いつもありがとうございます!」


佐々木先生くらいだろう。


私がずぶ濡れなのに

こんな普通に接してくる人は。


そう思うと、笑えた。
でも、気を使ってくれているんだと思う。


先生は私がいじめられてるのを知ってる。


でも、何もしない。

いくら先生でも、さすがにあの人には逆らえないし。

私もそれはわかってる。