恋の花




やっとのこと紐がほどけて

俺は戸を開けた…。



そこには、うずくまった一人の女がいた。


「大丈夫?」

そう声をかけるとその彼女は俺を見た。

けれど、
「…」
黙ったままだ。


俺もつられて黙っていると

「どうして、ここに?」
と聞いてきた。

なんか、いい声してるなこの子。

そう思いながら


「なんか違和感あったっていうかさ。」
と、質問に答えた。



「…ありがとう……助けてくれて…」

そう言う彼女の顔は、恐怖に怯えている子犬のようだった。


そして、彼女は泣いていた…