恋の花

勝吾 side



気になる…。

なぜか昼間に蘭子に案内してもらった
体育館が気になった。



一緒に帰ろうと言われて、嘘までついて

俺は今、体育館にいる。




体育館…なんか違和感があった。


…そうだ、あれだ。



俺はひとつの戸の前まで走っていった。

違和感があったのは、これか。



目の前の戸には
紐が巻かれていて、
絡まっていた。




俺はこの戸の向こうが無性に気になった。



「うー…」

今なんか聞こえたような…


もしかして、ここから?





そう思うといてもたってもいられなくて、

俺はひとつひとつ、紐をほどきはじめた。