恋の花





訳がわからず

顔をあげると、そこには見知らぬ顔があった。

男子。


でもとりあえず、
ここから助けられたということだけは


わかった。


「大丈夫?」
その見知らぬ人は私に

優しく声をかけてくれた。



こんな優しい声をした人は久しぶりだった。


「…」
私はしばらく何も言えず、

やっと言えた言葉が
「どうして、ここに?」


すると
「なんか、気になったんだよね、ここ。」



「え?」


「なんか違和感あったっていうかさ。」
そう話す彼の口調は暖かさがあり、

私を安心させた。


「…ありがとう……助けてくれて…」
私は自分でもわからない間に

涙を流していた。