恋の花

勝吾 side



疲れるな…

俺は授業の休憩時間毎に女子に囲まれていた。


今は昼休憩。


女子が勝手に俺の机の隣や向かい側に
机を並べて

俺はなぜか女子たちと弁当を食べていた。



そして結衣はいない。

この学園にいるはずなのに。



女子たちがいろいろ質問してくるのを
適当に答えながら

もくもくと弁当を食べる。


「ねえ、勝吾くん。」

隣で弁当を食べていた一人の女子が
声をかけてきた。

「なに?」

「お弁当食べ終わったら、学校の案内してあげる!」

その声に、他の女子たちが

「私も~!」と騒ぎだした。


ま、結衣も探したいし、ずっと質問攻めで疲れたし、
「いいよ」とだけ言った。


「じゃあ、決まりね!」
その子はすごく嬉しそうだ。

でも、性格は悪そうだな…

見た目で判断しちゃいけないと思うけど。

あ、この子…
「ごめん、名前、なんだっけ?」

と性格の悪そうな子に聞いた。


「浅野蘭子です!蘭子って、呼んでね」