恋の花



教室に入ると、クラス中の男女がこちらを見ている。


自己紹介しようとすると…


「ねーかっこよくない?」
「イケメン!」
「はあ、かっいい~」

それはずっとザワザワと聞こえていた。


「静かに!」
先生が生徒を沈める。


先生をみると、
口パクで「挨拶」とだけ言った。



それを合図に俺は
「城山学園から来た、宇都宮勝吾です。」

とだけ言った。






またもザワザワしだす教室。



そんなことはおかまいなしに俺は教室を見回す。


結衣は…………?



もう何年も探していたのに、
その顔はなかった。