恋の花



「それってデートじゃん!」

「え!?だって私まだそんな関係じゃないよ」

クーラーの効いたケーキ屋さんで
ケーキを食べながら紗綾に

田辺くんに告白されたこと、
遊びに誘われたことを話していた。

「で、行くんでしょ?」
紗綾が興味津々で聞いてくる。

「うん、せっかく誘ってもらったから…」

「ねぇ、結衣はさ、田辺くんと宇都宮くんどっちが好きなの?」

「へっ!」
危うく飲んでいたジュースを吹き出しそうになる。

「だって、結衣はわかりやすいからね。」
紗綾は笑って続ける

「宇都宮くんのことも好きなんでしょ?」

「うん。でも、宇都宮くん蘭子と付き合ってるから」
私はあの日のことを思い出す


記憶がフラッシュバックして少し胸が痛い

「あ、今宇都宮くんのこと考えたでしょ!
だめだめ、今は田辺くんとのこと考えないと!」

「う……」

図星で変な声が出てしまう。

なんで分かったの……


でも、紗綾の言う通り、
今は田辺くんのこと考えなきゃ。