恋の花


いつもの水の音が響く、朝8時。


いつもの、女子トイレ。
一番奥のトイレで、今日も



「キモいんだよ」

「もっと洗ってあげよっか~?」

「あーもうこれじゃ、
教室入れないよねー」

複数の女子の声が聞こえる。


それからすぐ、

「アハハハハ」

笑い声も聞こえる。



水をかけられ、冷たいとも感じない。



涙も出ない。


この毎日からはどんなに泣いても
逃れられないとわかったから。





――キーンコーンカーンコーン――
いつもの音がして、

「やば~早く教室行かなきゃ~」


「結衣はまた遅刻だねーアハハ」

そう言い残して、みんな
教室へ走っていく 音がする。


これが私の変わらない毎日。