時は誰も待ってくれない 下

私、なんか変なこと言ったのかな。
「ここは…精神科病院だよ…」
「精神科…病院…」
やっぱり病院だったんだ。
なんとなく病院ということは分かったけど…。
若年性アルツハイマーって精神的な病気なんだ…。
それはどんな病気なんだろう。
名前だけは聞いたことがあるけどよく理解していない。

それから病室への戻り方が分からないことを言うと優は私の手を引いて誘導してくれた。
「真由…」
「ん?」
「いや、…なんでもない」
優は私の手を握ってさみしそうにその手を見つめている。
また、悲しそうな顔。
私か子供かどちらかの命しか助からないことを
知ってしまったから?