時は誰も待ってくれない 下

やっぱり様子が変らしい私に気づいて心配そうに声をかけてくれる。
早く言わなきゃ…早く言わなきゃ…。
「な…んでもない」

違う。
なんでもないわけない。
こんなことを言いに来たんじゃない。
何より、そういった瞬間の隼人の悲しげな瞳が
私の胸を締め付けた。
「真由」
「…」
「こっち来て」
隼人のベットの横まで行くと、隼人は私の手を握った。
温かい…。
本当に、本当に隼人は死ぬの?
私の手の届かないところに行ってしまうの?
そんな隼人に私は傷つくかもしれないことを言うの?
…でも、隠すなんて余計傷つけるんじゃない?