時は誰も待ってくれない 下


そして今、私は病室の前に立ち深呼吸している。お腹をそっと撫でながら、隼人を思い浮かべる。
大丈夫、大丈夫…。
扉をゆっくり開けると、やっぱり隼人はいつも通り、外を見つめている。
「隼人…」
「お、やっときた」
私が呼びかけると、まず目線だけこっちを見るのが隼人の癖だと最近気づいた。
私だと分かったら振り返ってフッと静かに笑うの。
なぜかいつもより優しく笑うから言いづらくなってしまう…。
「ん?どうした?」
「…」
「具合悪いか?」