時は誰も待ってくれない 下

頷くしかできなかった。
何度も何度も。
言葉にしようと思っても涙と嗚咽が邪魔して
言葉にできなかった。
いつの間にか優も泣いていた。
静かに微笑みながら泣いていてその姿はすごく綺麗だと思った。
人の姿はなく、広い部屋にしばらく二人だけの静かな時間が流れた。

いつかこの日のことも忘れてしまうんだろう。
優の優しさに触れる日々もいつか忘れてしまうんだろう。
優に出会ってから私は確かに変わったと思う。
優のおかげで隼人と同じ時を過ごすことができたんだから。
私の一生の恩人と言ってもいいくらいだよ。
ありがとう…ありがとう。
私は何度も心の中でありがとうと伝えた。