先輩のくれたモノ



黙って話を聞いて、うなずいたり、時々「うん」と言うしかできなかった。


がんばってこらえてたものが出たら迷惑になると思ったから。


何を話されたかなんて覚えてない。


ただ話すために遠回りをしたことは覚えている。


なのに、すぐ家についてしまった。


「じゃあね。」と言われて、私は「ばいばい。」と泣きながら言った。


そしたら、「…ん、ばいばい。」ともう一回言って、振り返ってしまった。


私はすごい量の涙を流して泣いていた。


見間違いかもしれないけど、あっちも涙目になっていた気がする。


それぐらいお互いの大切な存在になっていた。