ー翌日side雪奏ー

微睡みの中にいると、誰かが頭を撫でているのが分かった。

ううん。誰か、じゃない。手の暖かさ、体を包んでいる温もり、そして、風の様な爽やかな香り───

『雪奏、ずっとずっと愛してる。』語りかけてくる優しくあたたかな低い声。 私の大好きな、ううん。愛してる人。
                     「颯斗、私も愛してるよ」

そう無意識に声が出ていた。 目を開けると颯斗が目をまん丸にして、びっくりしていた。

「び、びっくりした…おはよう雪奏。‥‥何時から起きてたんだ?」そう聞いてきたから、

「おはよう颯斗。うーん…だいたい頭を撫でてくれていた時かな?」

「結構前だなぁ…」と少し赤くなっていた。

「嬉しいよ?ありがとう。颯斗♪」ぎゅっと抱き付くと、ぎゅっとしてくれた。

「安らかな時間がずっと続ければな…」颯斗がそう言った。

「……でも、この事を知らなかったら、この時間が大切な物と気付かなかったし、何より雪奏に会えなかったな…」ハズいけど、本心だ。って言ってくれた。

「ありがとう、颯斗♪私も一番大切な、かけがえのない人に会えたからこの時間を大切にしないとね?」そう言ってマッタリと二人の時間を過ごした。