裕理side







亜果音「光くんなら…信じてみようと思うの…」



そう言った亜果音の顔は見えないけども…きっと、微笑んでたんだと思う

昔、アイツに見せたような笑顔で…
俺にはそんな笑顔一回も見せたことないのにな…



「そっか…」



いつの間にか、亜果音は俺と違って
前へ進んでたんだな…

ちゃんと、前へ進めたんだな…



「頑張れよ!」




それは、俺自身に言ったのか、亜果音に言ったのかわからないけど
自然とそんな言葉が出ていた




俺は自分の部屋へ戻るときに



「幸せにしねーと許さねーからな」



光「やっぱり俺が隠れてたの気づいてたのね。」



「アイツの心、踏みにじったらただじゃおかねー」



光「おー、怖。でもさ、俺がどうしようとアンタには関係なくない?裕理、お前は亜果音ちゃんの保護者でも彼氏でも何でもねー。」



「…ッッ…」



光「ただの姫華の彼氏。だったら、さっきの言葉、姫華に言うべきじゃねーのか?」



そう言って光は部屋の方へ帰っていった








バンツッ



俺は壁を叩いた


そんなの…俺が一番わかってるんだよ…

俺は…亜果音を幸せにできる自信がないから今まで…グダグダ他の人を亜果音の代わりにしてきた…

なのに、あんなチャラチャラした男に取られるなんてな…


ただ俺が情けねーだけか…