光「はい」


「ありがとう」



あれから落ち着いて、今は光くんの部屋の中にいる

自動販売機でレモンティーを奢ってもらった



「あのね、裕理が…ロビーで会ったときから、怒ってるの。」


光くんはコーヒーを飲みながら黙って聞いていてくれる


「どうしてだろう?結香にも、裕理くんの気持ちも考えてあげなって言われたんだけど…」



「人の気持ちなんてわかんないじゃん…」



ズズッ


コーヒーを飲み、缶を置いて、光くんは私の目をしっかりと見て言った


光「やっぱり、亜果音ちゃんって俺と一緒だね」


「え?」


光「まぁ、確かに人の気持ちはわからないけど…。裕理が怒ってる原因ならたぶん…」



「知ってるの?」


光「それは、亜果音ちゃん自身が気づかなくちゃね」


「そんなぁ…」


光「大丈夫、いずれわかるよ。」



光「それより…」


「え?」


少し目をそらしたスキに光くんの顔はいつの間にか私の目の前へ

「…ッ…//」


光「彼氏いるのに他の男の事で悩まないでくれる?」


そっか…
今、私すっごい光くんに失礼な事してた…

「ごめ…」


光「俺、知ってたよ」


「え?」



光くんは椅子に座って足を組んだ


光「亜果音ちゃんが俺の事好きじゃないってこと」


ドキッ


図星をつかれた


光「まぁ、いずれスキになってよ。それまで待ってるから」




ニコッと笑う光くん
その笑顔が眩しすぎて

思わず目をそらしてしまった



「ありがとう」


光「ふふっ、早く部屋戻って結香ちゃんと仲直りしなよ」


「うん!」



私は光くんに背中を押されて、自分の部屋へ戻った
















光「なんだろ…。この気持ち。“遊び”なのに。なんでこんなに切ないんだろう」



そう言って亜果音が飲んだレモンティーの缶をゴミ箱へ捨てた


その瞳は黒かった