亜果音side




はーぁ…

“裕理くんの気持ちも考えてあげな”


そんなの…わかんないよ…

人の気持ちなんてね、その人にしかわからないんだから…


ペタペタと廊下を歩いていると


「だーれだっ」


「…光くん…」


光「やっぱ声でバレルかぁ…」

目の前の視界が再び明るくなった


光「なぁ、もしかして、俺と亜果音がつきあったから、ケンカしちゃった?」


「別に…光くんのせいじゃないって…!?なんでわかったの!?ケンカしたって!!いや、ケンカじゃないけど…」


光「そんなの食堂の見てればわかるよ」

ははっと笑う光くん
たぶん私を元気づけようとしてるんだと思う

てゆうか、騒いでたのに見てたんだ…


光「大丈夫?」


「別に大丈夫だよっ!」

ムリに笑顔を作って誤魔化す
心配かけたくないし…


サァッッ


風が吹いたような気がした。
室内なのに…。


違う。
私が急に動いたからそう感じただけだ。
動かされたって言った方が正しいのかもしれない


気がつけば、私の体は光くんの腕の中へ。


「ひ…かる…くんっ…!?」


光「俺たち、つき合ってるんだから、抱き合うぐらい普通だろ?」



そ…だった…


あったかいな、光くんの中


ギュ
私も抱きしめ返す


光「…なんかあったんだろ?言えよ…。頼れよ…」


「…ッ…」



光「俺でよければ聞くから…」