コンコン

中から返事がない


「留守かー」


これからどーすっかなーぁ…

ヴーッヴーッ


後ろポケットに入っているケータイから振動音がした


スマホを取り出し画面を見る




小林姫華





チッ

合宿なんだからかけてくんなよ…と思いながらも出る


「どうかしたか?」



姫華「合宿どーぉ?」



「まぁまぁってかまだ練習してねーよ」



姫華「そっかぁ。ごめんね?電話しちゃって」



「なんかあったか…?」



姫華「ただ…声が聞きたかっただけ」



「そっか…」



姫華「ごめんねっ?じゃあね」



ブチッ

ツーツーツー




何が声聞きたくて…だよ
俺のこと好きでもなんでもないくせに…



もう一度スマホをポケットの中へ突っ込み、俺は亜果音の部屋の前から立ち去った