裕理side

亜果音「裕理。私、どうしよう」


朝五時に起きて、ランニングでもしようと、外を見るとユラユラ揺れてるブランコの上に見慣れた後ろ姿があった

後ろから声をかけようとして近づいたら急に名前を呼ばれてビックリした

「呼んだ?」

とっさにそう呼んでしまつた

亜果音はビックリしすぎて不安定なブランコの上でバランスを崩しそうになっていた

「ちょ、おまっ。あぶねー」

なんとかバランスを取り戻し、静かにこぎ始める亜果音

俺はブランコの支柱によりかかる

裕理「お前、昨日と同じ服」

よく見ると、その服は昨日、遊園地に遊びに行ったときと同じだった

家に入れなかったのか?
いや、昨日は夕方に帰ったし、ちゃんと家には戻った

亜果音「ん、あぁ。じゃあ戻るね」

話をごまかして家へ戻ろうと、立ち上がった亜果音

気づけばその手を俺は掴んでいた
掴まないと、二度と会えなくなるようなそんな気がして…
最近、亜果音が弱ってる事は見てわかった

だからその小さな手を守りたいと思っていた

だけど




パシッ




俺の願いは振り解かれた

亜果音「ごめ…」


その時の顔は今まで見たことがなかった

明らかに




俺に怯えていた



いや、男に怯えていたのかもしれない






朝日が俺を照らす