「…ン…」

やば…あのまま寝ちゃった…
しかも今は3時

もう一度ベッドに寝てみるが、

「眠れな…」

夏の夜なので蒸し暑い

「散歩してこよ…」


私は眠れないとき、家の前にある公園へ行く

ガチャ

家族を起こさないように静かに外へ出る



キーィ

ブランコに乗り、足で小さくこぐ


どうしても昔の事を考えてしまう私

今もそう

昔は裕理とどっちが高くこげるかなんてくだらない競争をした

私の小さい頃の思い出は全て裕理で埋まってる

でも年が経つにつれて男と女になり、お互いを意識して、関わらなくなった

私は別に裕理がキライなわけじゃない
男がキライなだけ


「裕理。私、どうしよう」

裕理「呼んだ?」

「うえっ!?は?!」

ビックリした…
独り言のつもりだったのに、後ろから声をかけられた

裕理「ちょ、おまっ。あぶねー」

首を後ろに向けたらバランス崩して後ろに倒れそうになった

裕理が支えてくれて助かった

「なんでいんの?」

裕理「なんでって…ランニングしよーと思ったんだよ」

「今何時?」

裕理「五時半」

二時間も私、ここにいたの!?

裕理「お前、昨日と同じ服」

「ん、あぁ。じゃあ戻るね」

ブランコから立ち上がり帰ろうとした私の手を裕理が掴んだ

バッ

とっさに離してしまった
なんでだろう?
勝手に体が反応した


「ごめ…」

裕理「大丈夫か?」

たぶん、色んな意味がこもってたんだと思う

「なにが?」


わざととぼけて足早に家へ入る

バタンッ

玄関先でしゃがみこむ


手のひらを見る

「なにやってんだよ、私」

そのとき、私を朝日が照らした
私には、朝日は眩しすぎて、目を細めてしまった