次の日

私の隣にいた男の子の姿は

なくて

代わりに殺風景な部屋と

ベランダに残されたレモンティーだけが

残った。

私はバカで

大切なものは

すぐそばにあるって事を

忘れていて、

また、大切なものは

いなくなって

気づく事もわからなくって

ベランダにレモンティーは

なぜかしょっぱくて

その味が

涙の味だと気づいたのは

飲み終わってからだった。

いつも、

あかねっ

って呼んでいた男の子は

もう私のそばにはいない。

彼は遠くに行ってしまったけども

来年帰ってくると信じて

私はずっと待とうと決意した。