あの日から裕理とは話していない。

会うことは会っても

何を言えばいいかわからなくて

言葉がつっかえて

喋ることが出来なかった。



私はエアコンがガンガンかかった

涼しい部屋のベッドの上に寝転がっていた。



「いつ…行くんだろ……」


私は手で片方の目を隠した。

私の頭の中には2人の裕理がいる。


1人はいっつも『あかねっ』

って私と一緒にいた裕理

もう1人は

【俺さ、親父んとこ行く】

私から離れていく裕理




どっちが本当の裕理なんだろう

違う。

どっちも裕理だ。



私の足はいつの間にか家から出ていて


「あっつ…」


ギラギラ輝く真夏の太陽を手で隠しながら

ある場所へ足が勝手に進んでいった。






今日は8月10日