「あはは、絶対に嘘でしょー」


教室中に響く笑い声。
この声の主はクラスメートのアサミちゃんだ。

あたしの予想は的中した。
キョウちゃんは教室に入って早々、大きな声で朝の出来事を話し始めた。


「いやいや!これがホントなの!」
「さすがのハルでもそんなバカなことしないでしょ!ねーハル?」


うっ

キョウちゃんの話を疑って聞いていたアサミちゃんが、あたしに尋ねた。
ついでにサラッと毒を吐きながら。


『……ホントです』


あたしは、そんなバカなことをしました。


「ほらぁ!」


キョウちゃんがフンッと鼻息を立てて自慢気に言った。

アサミちゃんは、唖然としている。
きっと、頭の良いアサミちゃんにあたしのバカ行動は理解しがたいだろう。


『もう!キョウちゃんやめてー』


これ以上、こんな恥ずかしいこと広めないでほしい。


「んーどうして?」


キョウちゃんがニヤニヤ笑いながら聞いた。
どうしてって……何?

キョウちゃんの質問の意味が分からなくて、あたしは頭をフル回転させた。
まぁ頭をフル回転させたところで、答えが見つかるはずはない。


「知られたくない人でもいるの?」