あたしは、自分の家族が大好きだ。

なんて思いながら2人を見送り、顔を洗いに行く。
髪はストレートロングで寝癖もほとんどつかないからクシでパパっととかすだけ。

それからリビングの扉を開けると、テーブルには高校1年生の弟のユキがマイペースに朝ごはんを食べていた。


「おはよう」
『おはよう、ユキ。あんた、のんびりしていていいの?部活は?』


ユキは兄弟とは思えないくらいに、あたしと正反対。
背が高くて、運動ができる。
だからバスケ部に所属していた。


「それは、こっちのセリフ」
『え?』
「もうこんな時間だよ。それから俺、部活やめたから」


ユキがあたしに右手首の腕時計を見せながら言った。
時計の針は、あたしがいつもの家を出る時間を指していた。


『やっばーい!』


あたしはテーブルの上に並べられたいつもの朝食をフォークで大きめの一口分だけ食べ、コップ一杯の牛乳を一気飲みし、ロールパンを口に加えて家を出た。