ジリリリリリリッ


「はるー起きなさーい」


シンプルなデザインでお気に入りの真っ赤な目覚まし時計が鳴る。
その後しばらくして1階からお母さんのあたしを起こす声が聞こえる。


『んー』


低血圧なあたしは、朝が本当に苦手だ。

学校サボろうかな。
なんて思ったけど、根が真面目なあたしにそんなことはできない。

それにただでさえバカなのに学校を休んだりしたら授業に大幅な遅れをとってしまう。


『はぁ、』


小さくため息をついて布団から出る。


ドタドタドタッ
バタン!


「姉ちゃん!早く起きろよ!」


大きな足音と共に勢いよく開いたドアから、小学4年生の弟が顔を出した。
きっとお母さんにあたしを起こして来いと頼まれたのだろう。


「なんだ、起きてんじゃんかよ。早くしろよな!」
『セイ、うるさい』


朝から元気なセイの声は、寝起きのあたしには耐えられないくらい大きい。

お母さんに頼まれて起こしに来てくれたのは、とても有り難い。
良い弟を持ったと思うよ。

でもね、セイ。
お姉ちゃんは、もう少し静かに起こしに来てほしかった。