始まりのチョコレート






そうか。
もしかして、大嫌いなチョコレートを食べたせいでおかしくなってしまったのかもしれない。

中谷なら、有り得る、かも。

でも、どんなに言い聞かせてみたって、それは自己暗示でしかなかった。


視界は真っ暗なまま、体がふわりと何か、温もりに包まれる。
とくとくと、一定のリズムを刻む、心臓の音。
背中に回された、腕の感触。



「ちょ、中谷・・・」


「おかしいっていうんで納得すんのやったら、もう、それでええわ」


「なに言って」


「お前のこと、好きんなるとか、おかしなったようなもんやしな、」


「・・・それは、失礼だよ」


「ふ、」



耳に、息がかかる。

・・・・もしかして、中谷、いま



「笑った?」