始まりのチョコレート






「・・・そんな反応、やめろ」


「・・・・・・・・」


「もっと、いつもみたいに、キモいとか言え・・・調子狂う」


「・・・・・え?」



そのとき、たしかに再生ボタンが押された。

中谷が俯いて、後頭部を掻いている。



「お前、俺のこと、嫌いやろ」


「・・・いや、」


「今更ええって、分かってるから、」


「・・・・うん、嫌い、だったけど」


「・・じゃあ、もっと、あいつのこと好きって気持ち上回るくらい、俺のこと嫌いんなったらええやん・・・したら、忘れられるやろ」


「なにそれ、中谷、私のこと好きなんじゃ」



言いかけて、口ごもる。
改めて中谷が私のこと、好きなんて、とんでもない事実だ。

何度も何度も、頭の中で中谷の言葉を繰り返したはずなのに、全く現実味が湧かない。

いつから、どうして、どこが、好きになったんだろう。

やばい、どんどん、どんどん


顔が、熱い・・・。